カプセルタイプやEAシリーズの主剤に使用しているエポキシアクリレート樹脂とはどのような樹脂ですか。

エポキシアクリレート樹脂は高強度で耐薬品性に優れており、速硬化性と低温硬化性を特徴とする樹脂です。

アンカー用途としての大きな特長としては、耐アルカリ性に優れ、[JIS K 6919]に基づく耐アルカリ性試験において最高位の耐薬品性にランクされている超耐食性樹脂です。したがって、この樹脂を主剤にしたARケミカルセッター®はコンクリートアルカリに殆ど浸食されることがなく、長期において高強度で安定したアンカー性能が得られます。

エポキシアクリレート樹脂とエポキシ樹脂の違いは何ですか。

接着系あと施工アンカーARケミカルセッター®はエポキシアクリレート樹脂を主剤とした製品とエポキシ樹脂を主剤とした製品のラインナップがございます。

エポキシアクリレート樹脂・エポキシ樹脂どちらも硬化後に安定した物性を持つ樹脂で、強度が高く、耐アルカリ性、耐薬品性に優れています。

エポキシアクリレート樹脂とエポキシ樹脂は分子構造、硬化反応の仕方が異なっているため、特に硬化性に違いがあります。
エポキシアクリレート樹脂は、硬化が早く、低温での硬化性も優れており、一般的なアンカー施工に最適です。
一方、エポキシ樹脂は低温硬化性(5℃以下)は劣りますが、可使時間が長く、太物のアンカー施工や充填施工に適しています。

接着系アンカーと金属拡張アンカー(メカニカルアンカー)との性能の違いは何ですか。

接着系アンカーは金属拡張アンカーと異なり、全面接着するので強度(特に剛性)が高く、耐振動性に優れています。また、母材へのストレスも少なく、経年変化はほとんどありません。

  強度 耐振動性 施工簡便性 強度発現時間 母材ストレス 耐熱耐火性
接着系アンカー 養生が必要
金属拡張アンカー × 施工後すぐ ×

上記表は一般的な比較であり、品種によっては異なるものもあります。

ARケミカルセッターの耐熱温度は何度ですか。

接着系あと施工アンカー ARケミカルセッター®の耐熱温度について、
HP・AP・MU・EAシリーズの場合
硬化後のエポキシアクリレート樹脂は熱硬化性樹脂であるため、熱変形温度(ASTM)は100℃以上ですが、常時熱を受ける部位では80℃までを目安としてください。

EXシリーズの場合
硬化後のエポキシ樹脂の耐熱温度は40℃までを目安としてください。

コンクリート中に埋め込まれた樹脂硬化物の耐用年数はどの程度ありますか。

接着系と施工アンカーARケミカルセッター®の主成分であるエポキシアクリレート樹脂は、耐アルカリ性に優れており、コンクリート中のアルカリ性環境下でもほとんど経年変化がありません。

当社において経年劣化試験を実施中で、コンクリートに埋め込んだ後、約15年間その強度低下は認められておりません。また、促進試験では約50年間経時劣化はないと推定されております。ただし、アンカーとしての強度はコンクリートの劣化状況によります。
なお、エポキシ樹脂は一般的にエポキシアクリレート樹脂より 更に耐アルカリ性が優れていると言われており、50年以上劣化しないと推定されます。

ARケミカルセッター®は水道施設に使用できますか。

接着系あと施工アンカー ARケミカルセッター®は水道施設への使用は可能です。

厚生省令第15号で水道施設の技術基準が定められており、含有する成分に規制がありますが、アンカーボルトは水との接触面積が著しく小さいため本省令には該当しません。

本省令の該当対象ではありませんが、ARケミカルセッターは資機材等材質に関する試験(平成12年厚生省告示第45号)による浸出試験を行っており、有害成分が浸出しない事を確認しております。試験内容の詳細については技術資料ダウンロードを参照下さい。