コンクリート中に埋め込まれた樹脂硬化物の耐用年数はどの程度ありますか。

接着系と施工アンカーARケミカルセッター®の主成分であるエポキシアクリレート樹脂は、耐アルカリ性に優れており、コンクリート中のアルカリ性環境下でもほとんど経年変化がありません。

当社において経年劣化試験を実施中で、コンクリートに埋め込んだ後、約15年間その強度低下は認められておりません。また、促進試験では約50年間経時劣化はないと推定されております。ただし、アンカーとしての強度はコンクリートの劣化状況によります。
なお、エポキシ樹脂は一般的にエポキシアクリレート樹脂より 更に耐アルカリ性が優れていると言われており、50年以上劣化しないと推定されます。

「あと施工アンカー」と「先付けアンカー」との違いは何ですか。

「先付けアンカー」とはコンクリート構造物を設計する段階で、機器等の取付け位置、取付け方法が決まっている場合、コンクリートを打設する前にアンカーボルトを先に設置し、コンクリート中に埋め込む工法です。

「あと施工アンカー」とは、コンクリートが硬化した後で、コンクリートに穿孔を行い、アンカーボルトを挿入し、アンカーボルトと孔壁の隙間に樹脂やモルタルを充填し固着させる工法です。

ARケミカルセッター®は「あと施工アンカー工法」に使用されます。
あと施工アンカーは 先付けアンカーに比べ、既設コンクリート構造物に施工できる、アンカーの位置精度が高いなどの特長があります。また、設備を設置する場合などには工程が短縮でき、トータルのコストダウンに大きく寄与できます。

アンカーボルトの種類 先付け 金属拡張 接着系
施工難度 コンクリート打設前 施工不可 施工不可
コンクリート打設後 施工不可
位置精度
固着方法 全面固定 部分固定 全面接着
コンクリートストレス ×
固着強度
耐振動性 ×
耐熱・耐火性
強度の発現 コンクリート硬化後 施工後すぐ 養生が必要

アスファルトに施工できますか。

接着系あと施工アンカー ARケミカルセッター®のEAシリーズとEXシリーズは主成分が異なるため、アスファルト成分がある場合の硬化性に違いがあります。

EAシリーズはその主成分がエポキシアクリレート樹脂であり、アスファルトの成分が硬化を阻害する場合がありますので使用できません。
(ただし、アスファルトを貫通しコンクリート内に埋め込む場合は、アスファルトの切屑を取除く事が出来る状況で施工可能です。)

一方、EXシリーズは主成分がエポキシ樹脂であり、アスファルト成分が硬化を阻害する事はありませんので、アスファルトにも施工が可能です。

※EXシリーズを施工する際でも、アスファルトは母材強度が低い為強度は低くなります。アスファルト層を貫通してコンクリート部分で強度を持たせるか、事前に引張試験などを実施して強度を確認の上ご採用ください。

ARケミカルセッター®は水道施設に使用できますか。

接着系あと施工アンカー ARケミカルセッター®は水道施設への使用は可能です。

厚生省令第15号で水道施設の技術基準が定められており、含有する成分に規制がありますが、アンカーボルトは水との接触面積が著しく小さいため本省令には該当しません。

本省令の該当対象ではありませんが、ARケミカルセッターは資機材等材質に関する試験(平成12年厚生省告示第45号)による浸出試験を行っており、有害成分が浸出しない事を確認しております。試験内容の詳細については技術資料ダウンロードを参照下さい。