接着系あと施工アンカー ARケミカルセッター®の施工要領書や総合技術資料では「埋込長5d以上で施工してください」とありますが、5d未満でも施工できますか。

ARケミカルセッター®を使用する際に、埋込長が浅いと、樹脂と硬化剤の混合が不十分となるため未硬化となったり、コンクリート表面の剥離破壊によって、所定の強度を発揮しない恐れがありますので、カプセルタイプの施工は行わないで下さい。(d=ボルト径)

※どうしても施工が必要な場合は注入方式(カートリッジタイプ、EAシリーズ・EXシリーズ)をご使用ください。 その場合でも埋込長は4d以上を確保して下さい。

穿孔長が浅いためカプセルが孔から飛び出している場合はどのように施工すればよいのですか。

接着系あと施工アンカー ARケミカルセッター®カプセルタイプを基準孔底より浅く埋め込む場合は5d以上として下さい。浅いと樹脂と硬化剤の混合が不十分となるため未硬化となったり、コンクリート表面の剥離破壊によって所定の強度を発揮できない恐れがあります。

(1)ガラス管タイプの場合
穿孔長よりカプセルが飛び出している場合は、まず、ハンマーなどで上から叩き孔内に押し込んでください。その場合、カプセルの内容物は孔内に挿入してください。
※内容物を孔内に挿入する場合は、ガラスなどで手を切らないように注意してください。

(2)フィルムタイプの場合
ボルトの先端等を使い、カプセルの内容物が全て孔内に収まるように押し込んでください。
(詳細はHPアンカーの施工要領書をご覧下さい)
※樹脂と硬化剤の混合比が変わって、所定の強度が出ない恐れがありますので、カプセルは絶対に切らないで下さい。

カートリッジタイプ(EAシリーズ・EXシリーズ)で施工する際の穿孔径はどうすればよいですか。

接着系あと施工アンカー ARケミカルセッターのカートリッジタイプであるEAシリーズ(EA-350,EA-500,EA-500W,EA-500S)やEXシリーズ(EX-350,EX-400L)は穿孔径による強度の影響がほとんどないため、アンカーボルトや現場の状況に応じて自由に穿孔径を調整できます。

施工の目安にとしてはボルト径の1.15~1.25倍が適当といえます。(穿孔径の最小限はボルト径+2mm以上とします。(M8は1mm)。ただしボルトが挿入できること)
カタログや施工要領書に施工例を記載しておりますので参考にして下さい。

尚、カプセルタイプは、品種やボルトに応じた規定の穿孔径がありますので、定められた標準穿孔径を守って下さい。

施工後にアンカーボルトを溶接しても樹脂への熱影響はないのですか。

一般的なガス溶接、電気溶接であれば、溶接熱はコンクリート中に急速に拡散するため、アンカー性能には問題はありません。(固着強度の低下はありません。)

また、当社の実験では、アンカー性能に影響を及ぼさない溶接範囲は、溶接位置/アンカー面から250mm以上、溶接時間/30秒以内(電気溶接の場合90秒以内)であることを確認しています。

0.5L(L=埋込長)以下のへりあきでの施工は可能ですか。

接着系あと施工アンカーARケミカルセッター®を用いて、0.5L(L=埋込長)以下のへりあきでの施工は可能ですが、へりあきが小さくなると強度が低下しますので、設計指針を参照し、事前に強度計算を行い、強度計算で得られた許容荷重値が設計荷重を上回っているか確認を行ってください。

また、設計強度を上回っていても、へりあきが小さいと穿孔時にコンクリートにストレスが発生したり、穿孔が斜めになった場合など母材が欠ける恐れがあります。端部よりのへりあきを最低でも50mmを確保し、打撃力が強い穿孔機械の使用は避けてください。

貫通孔に施工できますか。

接着系あと施工アンカーARケミカルセッター®のカプセル式は施工できません。
注入方式(カートリッジタイプ)は樹脂が孔内に密充填されるように工夫が必要です。