接着系アンカーは上向きに施工できますか。

接着系あと施工アンカーARケミカルセッター®を用いて上向き施工をすることができます。 但し、余剰樹脂の液ダレが生じる可能性がありますので、安全上注意が必要です。施工の際には必ず保護具を着用ください。
また、施工後アンカーボルトの脱落の恐れがある時は、クサビ等の脱落防止処置を行ってください。

AP、MUの各タイプはストッパーを装着の上施工して下さい。
EAシリーズ、EXシリーズは、樹脂にチクソトロピー性を付与していますので、液ダレがほとんどなく上向きでも施工できます。空気を巻き込まないように、孔底側より樹脂を充填してください。

 

水孔(水中)でも施工できますか。

HP、APは水孔〔水中〕でも施工できますが、付着強度は乾孔の8割程度に低下しますので、設計者と協議の上ご使用ください。
(ただし、MU、EAシリーズ、EXシリーズは水孔〔水中〕での施工はできません。)
※水孔〔水中〕施工の場合は、必ず各製品の施工要領書に記載している施工方法・注意事項を参照の上、施工してください。
※水孔〔水中〕施工の場合、許容荷重の設計が異なりますので、総合技術資料を参照の上、許容荷重の設計を行ってください。

※尚、どの製品でも湿孔(手で触って湿り気を感じる程度)では強度の低減はほとんどありませんので可能な場合は孔内に溜まった水をブロアー等で除去して、ウェスなどでふき取ってください。

※湧水のある場合は孔内の樹脂が流出する恐れがありますので施工できません。

湿孔(孔内が湿った状態)でも施工できますか。

どの製品でも湿孔(手で触って湿り気を感じる程度)では強度の低減はほとんどありませんので施工可能です。
但し、AP、HPを除き、孔底に少しでも水が溜まっていると強度低下の恐れがありますので、ウェス等で拭きとるなどして水を完全に取除いて下さい。

穿孔時に鉄筋に干渉した場合の処置を教えてください。

処置方法として以下の3つの方法があります。現場監督・責任者の指示に従い処置を行って下さい。

(1)穿孔位置の移動
旧孔に影響のないよう別の位置に再穿孔してください。

(2)傾斜穿孔
鉄筋との干渉を避けられるだけドリルを傾けて、孔入口はそのまま施工してください。この場合傾斜角度は15°以内としてください。また、この場合は樹脂容量不足になる恐れがありますので、不足分の樹脂を補うなどしてください。硬化養生後、パイプなどを用いてアンカーボルトを曲げて、台直ししてください
※HPアンカー、APの傾斜穿孔は各製品の施工要領書を参照の上施工してください。

(3)鉄筋の切断
鉄筋をダイヤモンドコアドリル等により切断し、穿孔してください。
※鉄筋を切断する場合、コンクリート構造物の強度に影響のある鉄筋は切断しないで下さい。また、鉄筋を切断する場合は設計責任者や現場監督と十分協議を行った上で切断の可否を決定してください。

鉄筋干渉した場合にフィルムタイプのHPアンカーは充分に攪拌されるのですか。

基本的にフィルムタイプもガラス管タイプも同じように破壊されます。 従って、鉄筋干渉した場合でも十分に攪拌混合されます。
HPアンカーは、穿孔径が大きくなりすぎると攪拌不良の恐れがあるため、注意が必要です。
HPアンカー施工要領書に鉄筋干渉時の施工方法を記載しておりますので、施工要領書を参照の上施工してください。

雨天時に接着系アンカーを施工は可能ですか。

接着系あと施工アンカー ARケミカルセッター®について、雨天時の施工は可能ですが、次の注意事項を守って下さい。

HP、APは、水が溜まった状態でも施工可能ですが、この場合強度が8割程度に低下しますので、設計者と協議するか、ブロアー等で溜まった水を取除いて施工して下さい。
(湿孔では乾孔と同程度の強度を発揮します。)
孔壁に泥が付着していると著しく強度低下しますので、十分な水量で泥を洗い出して下さい。

MUアンカー、EAシリーズ、EXシリーズは、孔内に水が溜まっていると強度低下のおそれがありますのでブロアー等で溜まった水を取り除き、ウェスなどでふき取って湿孔の状態にして施工してください。
また、孔壁に泥が付着していると強度は著しく低下しますので、十分な水量で泥を洗い出した上で孔内の水分を取除いてから施工して下さい。

接着系アンカーの施工温度は最高何℃まで可能ですか。

接着系あと施工アンカー ARケミカルセッター®の施工可能温度環境について、

埋込み(穿孔)条件で異なりますが、標準施工条件(カートリッジタイプは埋込み長10d程度)で、カプセルタイプ、カートリッジタイプともに40℃です。

硬化時間にご注意ください。(d=ボルト径)

※カートリッジタイプの場合は長孔・太物となると、ボルト挿入前に樹脂が硬化するおそれがありますので、可使時間にご注意ください。

接着系アンカーは低温でも施工できますか。

接着系あと施工アンカー ARケミカルセッター®の施工温度環境について、

エポキシアクリレート樹脂を主剤とするHPアンカーは-5℃、APは-20℃、MUアンカーは-5℃、EA-500、EA-500Sは-5℃、EA-500Wは-15℃までです。

エポキシ樹脂を主剤とするEX-350、EX-400Lは5℃までです。

それ以下の温度で施工される際は当社までお問合せください。

樹脂硬化後であれば-25℃になっても問題はありません。

接着系アンカーは冷凍庫(-25℃)の中でも施工できますか。

接着系あと施工アンカー ARケミカルセッター®の施工環境温度について、

-25℃では樹脂と硬化剤の混合が不十分になったり、反応しにくなり固着強度が低下する恐れがあります。

次の製品は施工時に工夫することで施工可能です。
<カプセルタイプ(AP、HP)>
カプセル及びボルトを予めぬるま湯などで30℃程度に加温し、カプセルが冷える前に施工して下さい。(加温したカプセルが冷えないように1本ずつ施工して下さい。)
<EA-500W>
予めカートリッジ及びボルトをぬるま湯などで加温し、カートリッジが冷えないように作業を手際よく施工したり、カートリッジの保温する等の工夫を行なう。
孔内清掃はワイヤーブラシを使用し、孔壁の目荒らしを行なってください。(孔壁に漂着した霜、氷を除去することが目的です。)

※可能であれば、埋込前に孔内を暖めてください。強度UP、バラツキの低減になります。
※穿孔時にコンクリート中の水分が凍結し、穿孔壁面に膜をつくることによる固着強度の低下が考えられます。穿孔後十分にブラシにより清掃し、ブラッシング後は速やかにブロアーをかけて下さい。
※埋込時の攪拌不良、硬化不良を防ぐため、埋込作業直前までカプセルおよびボルトを加温して使用してください。なお、施工は加温したものが冷えないように1本ずつ埋込を行なって下さい。
※常温、標準施工より大幅な強度低下が予想されます。予め50%程度の固着強度低下を想定し、設計を行なって下さい。

次の製品は-25℃では施工できません。
MUアンカー:樹脂と硬化剤との混合不良を起こす恐れがある。
EA-350、EA-500、EA-500S:-25℃では硬化反応しない恐れがある。
EX-350、EX-400L:主成分がエポキシ樹脂であり、硬化反応しない恐れがある。

ARケミカルセッター®は水道施設に使用できますか。

接着系あと施工アンカー ARケミカルセッター®は水道施設への使用は可能です。

厚生省令第15号で水道施設の技術基準が定められており、含有する成分に規制がありますが、アンカーボルトは水との接触面積が著しく小さいため本省令には該当しません。

本省令の該当対象ではありませんが、ARケミカルセッターは資機材等材質に関する試験(平成12年厚生省告示第45号)による浸出試験を行っており、有害成分が浸出しない事を確認しております。試験内容の詳細については技術資料ダウンロードを参照下さい。